2011年2月14日月曜日

映画 「白いリボン」

名演小劇場にて。

しんどい映画を観てしまったものだ。
無音のタイトルロールが流れる中、震えが止まらなかった。映画館が寒かっただけではない。
心の芯から震えが来た。

時代も民族も、歴史も、今の私とはかけ離れているが、人間の持つ根源性としての暗い部分を自分の中に見つけて戦慄してしまう感覚を覚えた。

私の中の殺意、妬み、蔑視。
普段は意識の底にあって、自分でも気づかない意識が、義母の介護という状況の中で少しずつ意識の表面ににじみ出てきている。それが自分でわかるから、自分自身が恐ろしい。それに気づかせるこの映画も恐ろしい作品だ。

性善説をとりたい。が、
そうでないものを自身の中に見つけてしまった以上、逃げないで立ち向かうしかない。私は義母のことで心を病んでしまったのかな。

映画を観たことを後悔しない。私に必要な映画だった。
美術、音響、映像、演技、脚本、アイデア、すべてにおいて一部の隙もない。ミヒャエル・ハネケ。今までなぜこの名前を知らなかったのだろう?

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