2009年4月20日月曜日

陽春花形歌舞伎 雷神不動北山櫻

家を出ようと言う時間になって、母が「足が痛いから行けない」と言う。
駅まで自転車で行けば、後はエスカレーターとエレベーターを極力利用し、名古屋駅からタクシーで御園座に行けばいいから、頑張って行こうよ、と誘うが、自信がないから、と仰る。
すぐ病院へ行くほどでもなさそうで、じっとしていると痛くないらしい。歩く時少し足を引きずっているので、やはり無理をさせてはいけない、と諦める。

それからがたいへん。チケットがもったいないのであちこちにメールしたり電話したり。
ようやく「ひ」のところでHさんが来てくださることになり、ほっとする。

さて、市川海老蔵を生で観る初めての舞台。海老蔵さまは本当に華がある。姿の美しさ、顔立ちの美しさ、仕草も洗練されている。1人で5役の演じ分けも、それぞれの個性を発揮して見事。1人の花形歌舞伎役者の発散するオーラを堪能させていただいた。

一つ、難を言わせてもらうと(海老さまゴメンナサイ)
声。くぐもったような声で、今ひとつ響に不足が。お風邪でも召していらっしゃったのか、いつもあの声なのか、私にはわからないけど、少々残念。

歌舞伎は動と静のコントラストに特徴のある芸術だとつくづく思う。最近オペラを見ることが多かったので、余計感じたのかもしれないが、見得を切るときの静止は一枚の絵として観客にそのシーンを強烈にアピールする。動きの激しい時でも、動の中に静を感じる。

オペラはストーリーが大切で、一部分だけ抜粋して演じることは殆どないと思うのだが、歌舞伎は名シーンだけ、一幕だけの上演がよく行われる。これは、ストーリーよりも、絵として切り取って鑑賞し、楽しむ風が強いせいではないか。

など素人考えでいろいろ感じた1日。おもしろさ、楽しさ、スペクタクル、笑い、お色気、驚き、ありとあらゆるお楽しみ要素満載で、贅沢な演目だった。

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