2008年10月15日水曜日

「あしながおじさん」 J・ウエブスター作 坪井郁美 訳

英語の勉強で、「ジェルーシャがあしながおじさんに初めて書いた手紙」を暗記して、これは面白そうだ、読まなくては!と手に取った少女小説。

昔むかし、小学生の頃、学校図書館で借りたが、数ページ読ん全然面白くなく、挫折した記憶がある。
今読んで、この物語の本当の面白さは小学生の私ではわからんわい、と納得した。

殆どジェルーシャの手紙だけで物語が進んでいく。閉ざされた世界ー孤児院で植えつけられたsensitiveな視点が、友人やその家族とのふれあいにより融けていく様、ジェルーシャの大人の女性としての心が成長する様、大学生としての知的成長、それらをすべてジェルーシャの手紙によって読み取ることが出来る。一人の女性が劣等感の渦の中から人としての自立を勝ち取っていく目覚しい成長過程は10歳そこそこの私には理解できなかった。あしながおじさんとの駆け引きの面白さも、大人のお話。

名作といわれて読んでいない本はまだたくさんある。「あしながおじさん」と幸せな再会が出来て良かった。今度は何を読もうかな。

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