2008年9月18日木曜日

「ヤンヤン 夏の想い出」

木曜だけど、鳴海の母は俳句の会に出かけて不在なので、私は一人ですることのない1日。ずっと気になっていたDVDを観た。

「ヤンヤン 夏の想い出」エドワード・ヤン監督、脚本。 男の子の可愛いアップ写真と題名に騙されたが、これは完全に大人向け映画(大人でなければ理解できないという意)。大変真面目でペーソスが効いて、親の人生と子供の人生を丁寧になぞった佳作。

172分の長さは劇場で観るには良いけど、家で一人観るには緊張が切れそうで少々辛かった。が、半分を超えて父親の人生と、子供が現在遭遇している事件が重なり合う頃から監督の意図が伝わるようになってきて、なんとも愛しく心に染みる場面場面を食い入るように見入ってしまった。

祖母が孫娘の前に元気な姿を見せて、安心させてやるが、実は祖母は死んでいたという場面。父親が妻に打ち明ける場面。ヤンヤンの、祖母へのお別れの言葉。欠点だらけで生活の波に翻弄されてばかりの人々が大好きになった。私も、そう。失敗して、言い訳して、反省して、落ち込んで、でもヤンヤン一家のように誠実に生きていけばいいんだ、と。人生捨てたモンじゃない、と思える。

イッセー尾形が思慮深い日本人の役で出てきたのは嬉しかった。悪役に日本人が使われる映画が多いので、この役回りは意外に思ったくらい。

心が疲れたときにまた観よう。

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