2008年9月25日木曜日

「心療内科を訪ねて~心が痛み、心が治す~」夏樹静子

交通事故で腕を失った人が、存在しないはずの腕の痛みに悩むという幽霊のような症例があると聞いたことがある。そんな時は、ない腕があるのだと脳に勘違いさせて、その腕を治療したと思わせることで痛みが消えるのだそうだ。(以前読んだ「脳は奇跡を起こす」にかいてあったこと。)

脳の不思議。

体も脳も、どちらも紛れもない「自分」なのに、脳が体を裏切ったり、体が脳を苦しめる。体が感じる自分と脳が主張する自分の矛盾。
体は悪くないのに、脳が病気を作り出す。痛みを作り出す。それを治療するのが心療内科の仕事だという。

私にも覚えがある。子供のことで悩んでいた時、私は潰瘍性大腸炎に罹患した。病気の悩みは、子供のことで悩む時間を減らしてくれた。脳が無意識のうちに、私の心の悩みにフィルターをかけようとしたのかもしれない。
最近は、呼吸がし辛くて、肺に何か病気があるのではないかと心配になって呼吸器科の検査をしたが、問題なしと診断されたとたん、治ってしまった。よくよく考えてみると、PTAの人間関係で四六時中悩んでいた。

いいかげんでいいんだ、と思えるようになること、心に問題があるのだと自覚することが、心因性の病の砂漠から抜け出す鍵となるらしい。私は神経質だが、結構いい加減なところがあるので重症化しないのかもしれない。心の持ちようを自分の力でコントロールすることは難しそうだが、ポジティブに、何でも悪いところには眼を半分つむり、良い点はしっかり受け止めることが大切だとつくづく思う。

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